Wednesday, April 9, 2008

ピアレビュー

1年生のコースワークの一つにスピーチを毎学期入れています。そのスピーチプロジェクトの一環として、ピアレビューもやっています。3−4人のグループに分かれ、グループのメンバー同士でお互いのドラフトを読み、フィードバックをし合いました。
学生からのピアレビューに対する評価は高いのですが、役に立ったことだけでなくそうでもなかった事に対しても感想をまとめてもらいました。

良かった点は、

他の学生の書いたものを読むことによって刺激になったし、自分の書いたものをもっと批判的に読めた
自分で書いているときは話の筋が通っていると思っていたけど、読む方としては分かりにくいこともあるのが分かった
複数の人からの意見がもらえてよかった

役に立たなかった点は、

友だちが直してくれた文法が必ずしも正しいとは限らない
丁寧にフィードバックをくれたクラスメートとそうじゃない人とばらつきがあった
(同じメンバーとピアレビューを2度やったのですが)2回目はグループを変えてもよかったのでは?
(ピアレビューに時間をかけるではなく)もっと早い段階で先生にチェックして欲しい
(ピアレビューのハンドアウトを配ったのですが)残念ながら、ハンドアウトがそれほど役に立たなかった(悲)

などがありました。最後のハンドアウトや学生のコメントを見ながら思ったのは、学生の大半がピアレビューを文法チェック、と見ているところでした。だからピアレビューに時間をかけるより先生に見てもらいたい、ピアレビュー用ハンドアウトが役に立たない(ドラフトのいい所や内容についてコメントする箇所も多く設けていました)なのかなぁ、、、と思いました。正確さも大事やけど、内容も劣らず大事である事を見落としているような印象を受けました。だから、自分より”いい”学生のドラフトに意見するのは難しかった、との意見も出たのでしょう。

次は内容ピアレビューと文法ピアレビュー、と分けてしてみようかなあ。。。

それと、もう一つ大事な事は私と学生のコミュニケーションがうまくいってへんかったんやろなー、ピアレビュー用のハンドアウトの内容や質問の意義をもうちょっと考えて欲しかったのと、私ももう一度考えなくてはいけないな〜と、それからどんな所をどう考えて欲しかったのか話し合ってもよかったかなー。。。

ピアレビュー用ハンドアウトもこの際、学生と一緒に作ろうかなー

7 comments:

Unknown said...

いろいろ参考になります!やはり内容の部分は教師が強調する必要があるのでしょうね。こちらは2回ピアリビューをしているのですが、一回目は特に何も言わずに、で、今、2回目をする前ですが、来週、ピアレビューの意義について話し合うつもりです。でも、ないように関するコメントもかなりあったのは、やはり、3年生だったからと思われます、、、

Anonymous said...

先日、私もピアレビューをさせて
いろいろ教師として考えることが
見えました。

この前のセミナーである先生が
レビューさせるときに
今日はここを見て(例えば文法、
助詞の使い方)というのをさせて段階的に
レビューをしているという
話を聞きました。

ある程度ビアレビューが慣れてきた
学生なら「文法」「内容」で
いいと思うけど、うちは今回
初めてだったので
やはり段階を踏んでさせるべきだったと
思いました。(反省!)

あと、うちの場合は
グループでの出来上がりに
大きく差がでてしまいました。
グループ分けの時は
それなりに日本語力が均等に
なるように選んだつもりなんだけど
グループとして打ち解けて、刺激しあい
今回のプロジェクトにおもしろさを
感じてくれたグループとそうでなく
ただ授業の一環だからするというような
消極的なグループでは、それこそ「内容」「文法」「語彙・漢字」で
雲泥の差でした。

グループ分けに関しても
学生の個性を見極めながら
いろいろ考えていこう
思いました。

Anonymous said...

すでにお話しましたが、Satoさんのアイデアを参考に、3年生ではペア/グループでのプレゼンテーションの準備段階としてペアレビューをやりました。

1)自分の原稿をラボで声に出して録音することによって、話し方やタイミングなどをかなり意識することになる。
2)自分のペアの人(または3人のグループの中の1人)と交換することにより、一緒に発表する人の内容や順番など、連携を考え直すことができる

という点で効果的だったようです。

Satoさんにいただいたレビューシートを参考にさせてもらい、相手にいいフィードバックを与えることが自分達の発表をよりよくすることだという意識も高めるために、そこを焦点にして3年生用のものを作りました。ウェブで検索すると、ESLの先生方が使っているものがたくさんあったので、そういうものも参考にして。

文法や語彙を学生に直させると、Takamiさんが上で言ってくれているように、かなり結果に差が出てしまうので、そこはレビューシートの項目として「表現など(文法や語彙を含む)で直したほうがいいところがあれば、例を挙げて教えてあげましょう!」というかんじにしたので、何度も間違えていて気になるところだけが問題になり、よかったようです。それから、語彙や表現のレベルが適切かどうか、ということを項目にあげて聞くことにより(3年生の場合、みんなの知らない語彙のら列になる危険性が高いので)、語彙の言い換えのテクニック(黒板に書く、クイズをする、聞き手の学生を当てて意味を確認する)など、それぞれが話し合ういい機会になったとのことです。

録音ーファイルを保存ー相手と交換して音を聞きながら直すーレビューシートを記入ーというようにちょっと手順が複雑で、こちらも学生も初めての試みでしたので、どうなることかと心配しましたが、私がいない日にみんなでラボに行って、授業時間内に終わらせたのが、かえって功を奏したようです。同じだけ時間をかけたということでまあみんな公平だと感じ、私がいないことで自由に話し合うことができ、(多分英語)よかったんじゃないんでしょうか。宿題だけにすると、当人同士話をしないので、「直された」というかんじがしてしまうのかな、と。

自分たちの発表が2週間先だということからか、ちっとも進んでないグループがあったのですが、これをしたことによりやっと重い腰をあげてくれたようです。間違いはほとんどなくても、自分の原稿がかなり短く、語彙も幼稚なことをはっきり意識したとのことで、私からのフィードバックよりいいんじゃないかと(笑)。

一年生のあの素晴らしいスピーチと比べると(いやー、感動しました。間違いも少ないし、習ったことをどんどん使ってる!レベル高いですよね。)「どうして?」と思うほど伸びていない彼らの日本語能力ですが(ああ責任感じるわー、ごめんねみんな)これから教科書がなくても自分たちで学んでいけるという自信を持ってくれたら、と思っています。

というわけで、長くなり申し訳ありませんが、いろいろ考えさせられたので、つい書いてしまいました。私自身、非常に勉強になりました。Satoさんのおかげで、また一つ新しい経験をすることができ、本当に感謝しています。いつもお世話になります。

sato said...

さとうさん、

ぜひまた話し合った内容をシェアしてください~!

takamiさん、
段階を踏んで、ってのはいいですね。参考にさせてもらいます~♪

まくささん、

まくらさんのクラスについてのシェアをありがとうございます。学生同士でやることによってずいぶん意識って高まりますよね。まくらさんのクラスの学生のレベルが伸びていないなんてことはないと思います。目に見える伸びが短期的には見えにくいレベルな分、学生に伸びを実感してもらうのも難しいですよね。。。伸びを見えさせるためにしていることってありますか?

yukki said...

学生の意見、参考になりますね。私もピアレビューはしているので、どう思ったかって学生に聞いてみます。

先週、ポッドキャストのピアレビューシートを学生に返却したんですが、みんな食い入るように読んでいました。やはりクラスメートのコメントは気になるようです。

学生とシートを作るっていいですね。意義を話し合いながら、学生は自分がほしいフィードバックがもらえるようになるやろうし。

Anonymous said...
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Sato said...

yukkiさん、

やっぱり学生同士にはかなわないんですね、教師って。。。まぁそれでいいのですが。

ピアレビューについて、また聞かせてください!