Monday, May 14, 2007

ワークショップ@UVA

土曜日、日曜日と我が大学でワークショップを開催しました。近郊の州の大学、高校、小・中学校の先生が多かったのですが、CAなどだいぶん遠いところからも来てくださいました。

今回のワークショップのテーマはAPや中・上級への橋渡し、といったことでした。AP Japanese導入により、これから大学間だけでなく小・中・高校と大学といった縦のつながりも重要になってきます。そんな話が主だったわけですが、実際小・中・高校の先生方と話をして、驚くべき事実の連発。。。

複数のレベルを同教室、同時間で教えるのはフツウ。「授業」以前の問題が多く、授業になかなか至らないのもフツウ。その中で親御さんの期待は高く、学力が思うように伸びないと先生の責任になるのもフツウ・・・。授業にならない学生も受け入れないと学生数が満たない、授業キャンセルの恐れ。低空飛行の学生も次のレベルに持っていかないと、また、授業キャンセルの恐れ・・・。そういった環境の中でのAPの導入。APクラスに入りたいと主張する学生は全員受け入れないといけないのに、その中で成績が振るわない学生の責任は先生・・・。
私も高校で教えたことはあるんですが、それにしても、なんとも言えないご苦労です。

私たち大学教師は、理想はあったとしても何と整った環境の中で授業が出来るんでしょう。

高校やイマージョンで日本語を勉強した学生が毎年何人も我がプログラムに入ってくるのですが、1年生からやり直す学生も少なくありません。学生も気の毒です。何年も日本語を勉強してきた挙句、大学で100番台にプレースされて「あいうえお」から。そら、当然ショックでしょう。こちらとしては、いったい高校までのクラスで何をしてきてるんや?と思うことも正直あります。でもひとえに学生の責任だけではないようです。もちろん先生だけの責任でもありません。どうしたらいいんでしょうか。何から始めたらいいんでしょうか。大きな問題です。

8 comments:

yukki said...

私も高校で教えたことがあるので,よくわかります。私が教えていたのは10年も前なんですが,その頃に比べたらカリキュラム,教材,教師の質は向上していると思います。

高校ー大学のarticulationに関して言えば,何から始めたらいいのかという問いには,私はもっと両者がコミュニケーションを取らなくてはいけないと思います。例えば大学側は「私たちは学生にこういうことを期待している」ということを伝えないと,高校側は自分の学生に大学で通用する力をつける手助けをするのは難しいのではないでしょうか。そして高校側も大学側に自分たちがしていることを伝えることが大切だと思います。まずは風通しをよくすることが先決ではないでしょうか。別にこれは先生がやらなくても,高校,大学を通して日本語を勉強している学生を利用してもいいですよね。

Anonymous said...

A大学のHanakoです。私のBlogのほうにカキコをいただきまして、ありがとうございました。

ワークショップではお世話になりました。中高の先生たちとお話していて、大変さが伝わってきました。APクラスどころじゃなかったのに、APが入ってきて大変さが倍増したようですね。大学と高校と中学と、これからもっと情報交換していく必要を大いに感じました。

これからもよろしくお願いいたします!

洪小彤 リリー・ホン Lily Hung said...

元気ですか。佐藤先生の休みはどうですか。一週間ぐらい日本語を使いませんでしたから、私の日本語はよくなくなった思います。泣きたいです!!だから、私の部ラグでピストを書きたいで、KEEPを願いします。

今英語専門の友だちにもらう孝子高橋の「寂しい女の人」を読みますが、英語で読みます。将来日本で読みたいですが、長い時間かかりますね。本の中の女の人はちょっと怖いです。先生はその本を読んだことがありますか。

いい休み!

sato said...

yukkiさん、
まったく同感です。
高校ー大学でお互い何をやっているか伝え合うことがまず第一だと思います。今の状況は高校で何をしているのか、大学で何を求めているのか、(恥ずかしながら、少なくとも私には)不透明な部分が多いですしね・・・。少しずつかも分かりませんが、もやをとっていきたいですね。

sato said...

Hanakoさん、
コメントありがとうございます。情報交換をもっと密にしていかないといけないですね。でも政治的なものもどうにかならんのかなと正直思います。
まずはできる第一歩から、でしょうか。頑張りましょう。

sato said...

ホンさん、

ひさしぶりですね。外国語は使わなくなると、わすれるんですよね・・・。本を読んだり、ブログを書いたりすることはとてもいいと思いますよ。学生のブログのリンクを作ったので、これからもつづけてくださいね!

Anonymous said...

私もyukkiさんと同じ経緯で中高で2年教えましたけど、高校って本当に大変ですよね。色々な制約があって、、、。学生が集まらないと2レベル(酷い時は3レベル)同じクラスってのがありますし、上のレベルに進んでくれる学生が増えるようにと、わざと簡単なことしかやらずに良い成績を出したりと、ひどかったです。でも、先生側としては、ちゃんと5クラス教えてフルタイムとしてのポジションを確保したいというのも分かりますし、本当にすごい環境でした。
縦のつながりがもっと強化されれば、アメリカの日本語教育自体が、もっと活性化されますよね。学生数は増えますし、大学レベルでの言語教育だけじゃなく、もっと年の若い学生の問題点なんかも研究する必要が出てきますし。
台湾も、もっともっとそうなって欲しいと思います。ただ、こちらにはACTFLやATJのような機関がまだ確立されていないんで、まだまだ時間がかかりそうです。

sato said...

Kazzさん、

私も高校勤務1年だけですが、したことがあるので、まったく事情を知らないと言う訳ではないのですが、日本語の問題や縦のつながりの問題も重要ですが、政治的なこともなんとかならんのかな、と思いますね・・・。
K-12の研究やK-12の先生方の研究の必要性も出てきますね(他力本願でしょうか・・・(苦笑)